プリキュアのバトンタッチ (無印~5GoGo!編)
まもなく『キミとアイドルプリキュア♪』が最終回を迎え、次なるシリーズ『名探偵プリキュア!』が幕を開けます。
日曜朝のこの時間は、20年以上にわたって「プリキュアからまた次のプリキュアへとバトンが引き継がれていく」特別な瞬間を何度も見せてきました。
それは大々的な演出で彩られることもあれば、驚くほど静かに行われることもあります。
今回の連載では、歴代プリキュアTVシリーズがどのように“バトンタッチ”されてきたのかを、本放送時のフォーマット・予告・CMといった細部から振り返っていきます。
あなたの好きなシリーズはどのように始まり、そしてどのように終わっていったのか。SHOWTIMEアーカイブに残されている膨大な本放送データをもとに振り返ってみませんか?
第1回は、シリーズ黎明期――無印から『Yes! プリキュア5GoGo!』までです。
2004『明日のナージャ』⇒『ふたりはプリキュア』
タイトルも世界観も主要スタッフも一新。
今でこそ「プリキュアの始まり」として語られるこの交代は、放送フォーマットの上では意外なほど静かに粛々と進められました。
2004年1月4日OA『明日のナージャ』#47
2004年1月11日OA『明日のナージャ』#48
この2週では、通常30秒の次回予告が15秒に短縮され、後半で『ふたりはプリキュア』の15秒スポットが挿入されます。
2004年1月18日OA『明日のナージャ』#49
予告は25秒に短縮されるも、プリキュア無印のスポットは5秒。あくまで「主役はナージャ最終回の予告」という立て付けを崩さない慎重な扱いです。
2004年1月25日OA『明日のナージャ』#50[終]
Bパート後のCMとEDの順序が入れ替わり、番組フォーマットがわずかに変化します。しかしBANDAIのCMは最後までナージャ関連またはその他のライン。プリキュア関連商品は一切登場しません。
次週予告として『ふたりはプリキュア』第1話の30秒予告が放送されます(なぜか音声はモノラル)。
エンドカードには、ナージャからの「長い間ご声援ありがとうございました」。
シリーズの幕開けとしては、驚くほど控えめなスタートでした。
2005『ふたりはプリキュア』⇒『ふたりはプリキュアMaxHeart』
物語もキャラクターも「初代プリキュア」のままで継続する「続編」ということもあり、この年のバトンタッチはさらに淡泊です。
2005年1月23日OA『ふたりはプリキュア』#48

予告が30秒から25秒に短縮され、「『ふたりはプリキュアMaxHeart』、いよいよ2月放送開始!」という5秒スポットが挿入されました。シャイニールミナス変身バンクの名乗りカットやOP終盤の3人カットで構成され、シャイニールミナスを前面に押し出す意図が窺えます。
それ以外に特に何も語られることはなく、世界観や物語の説明もありません。
2005年1月30日OA『ふたりはプリキュア』#49[終]

まったくいつもどおりにMaxHeart1話の予告30秒が流れ、サブタイトルまでコールされました。
一方BANDAIのCMではシナモロールやハローキティなどサンリオのライセンス商品がメインで、プリキュア関連商品はMaxHeartはおろか無印のものすら一切出てきません。
「続くんだから、野暮な説明はいらない。」
そんな割り切りがはっきり見える移行です。
2006『ふたりはプリキュアMaxHeart』⇒『ふたりはプリキュアSplash☆Star』
キャラクターが一新されるためか、ナージャ以前と同様に告知スポットは複数回挿入されました。
2006年1月15日OA『ふたりはプリキュアMaxHeart』#45

例年だいたい年明け最初の放送で次作の告知スポットが入っていましたが、年明け2回目の放送でようやく次作『Splash☆Star』の告知スポット15秒が入りました。『S☆S』立ち上げ当時の厳しい製作状況が影響しているのかも知れません。
次の『MaxHeart』最終回前の回でもナージャやプリキュア無印のように特に予告が25秒になることもなく、上記と同様のフォーマットで放送されました。
2006年1月29日OA『ふたりはプリキュアMaxHeart』#47[終]

初代プリキュア2年間を締めくくる節目の回ですが、特にフォーマットの変更はありませんでした。
また前年の最終回とは異なりタッチコミューン、ミラクルコミューン、ハーティエルバトンのCMが放送されましたが、この時点では『Splash☆Star』商品のCMはありませんでした。
『S☆S』第1話予告ではサブタイトルがコールされ、キャラや世界観が変わっても「同じプリキュアである」という連続性が保たれています。
2007『ふたりはプリキュアSplash☆Star』⇒『Yes! プリキュア5』
2007年1月7日OA『ふたりはプリキュアSplash☆Star』#46

例年通りここで『Yes! プリキュア5』の15秒告知が入り、以降も同様のフォーマットが続きます。
2007年1月28日OA『ふたりはプリキュアSplash☆Star』#49[終]

CM③が予告後に移動し、Bパートから特殊EDへ直結する構成。
30秒の『Yes! プリキュア5』スポットが流れますが、サブタイトルのコールはありません。
BANDAIのCMでは『S☆S』関連商品が一切なく、CM③では早くもピンキーキャッチュやキャラリートキッズなど『5』商品がメインでした。
さらに特殊EDの最後に咲と舞のメッセージがあったことで『S☆S』という世界に一旦区切りをつけ、CMに続き最後のエンドカードも『5』のものになっています。
番組中で予告のみならずCMも次回シリーズへの切替に踏み切ったのは、この時が最初です。
2008『Yes! プリキュア5』⇒『Yes! プリキュア5GoGo!』
2008年1月27日OA『Yes! プリキュア5』#49 [終]

こちらもCM③が予告後に移動し、Bパートから直接EDに繋がる美しい流れになっています。
まったく何の予兆もなく、『5』最終回で『5GoGo!』初回の予告が流れるという流れです。当然のようにサブタイトルもコールされ、エンドカードも『5GoGo!』仕様となっています。
BANDAIのCMも『5』関連のものは一切なく、CM③ではBANDAI枠は15秒ながら次作『5GoGo!』の「キュアモ」CMが流れます。
ただしマーベラスの映像音楽商品CMとしては『5』DVD7・8、『5』ボーカルアルバム1、『5』ボーカルアルバム2、そしてココナッツアルバム1・2…とてんこ盛りで、当時の盛り上がりを偲ばせます。
初期プリキュアの代替わりの流れ
最初の5年間をまとめると、
- キャラクターや世界観が変わるときは、段階的にじっくり告知
- 『Yes! プリキュア5』以降は、本予告を打った途端にCMも次シリーズへ一気に切り替わる
という感じです。
この原則は以降の約20年間も概ね踏襲されつつも、シリーズごとにフォーマットやイベントなどで様々な工夫が加えられていくことになります。
次回
次回は『フレッシュプリキュア!』から『スマイルプリキュア!』までの4シリーズにわたるバトンタッチの変化を追っていきます。
ますます激しさを増すフォーマット操作。円盤や配信には残らない、当時だけのリアルタイムな空気感を解説と共にお届けします。