プリキュア第23シリーズ『名探偵プリキュア!』発表! プリキュアの日・2月1日放送開始で、史上初の全51話も?
2025年11月27日午前7:00、2026年度放送のプリキュアシリーズ第23作『名探偵プリキュア!』が発表されました。
『ひろがるスカイ!プリキュア』(2023)、『わんだふるぷりきゅあ!』(2024)、『キミとアイドルプリキュア♪』(2025)に続き、今回も商標公報の公開直後のタイトル発表となりました。
『スター☆トゥインクルプリキュア』(2019)以降の伝統に則り、今回も公式からハッシュタグで略称『#たんプリ』が提示されています。
同じくハッシュタグに反映されない感嘆符を抜いた「#名探偵プリキュア」も提示されています。
まず目を引くのは「名探偵」という漢字。歴代プリキュア通常TVシリーズでタイトルに漢字が含まれるのは、23年の歴史で今回が2例目。『魔法つかいプリキュア!』(2016)以来10年ぶりとなります(映画では毎回タイトルに何らかの漢字が使われています)。当然ですが、「めいたんてい」というルビも振られています。
さらに“Star Detective Precure!”という英題も付記されています。和文では「名」の字にあしらわれている☆がストレートに訳出されています。歴代プリキュアで和文パーツに言語的に存在しない要素が英題に含まれるのも今回が2例目で、同じく『魔法つかいプリキュア!(MAHO GIRLS PRECURE!)』(2016)以来10年ぶりとなります。
また東映アニメーション公式Twitter、東映アニメーション公式サイト、朝日放送テレビ公式サイトに共通して「そのナゾ! キュアット解決!」という決めゼリフらしきものが提示されています。「キュアっと」ではないところがポイントです。
取り急ぎ、現在判明している情報だけを頼りに様々な観点から分析してみます。
11年ぶりとなるプリキュアの日・2月1日放送開始で、プリキュア史上初の全51話?
『名探偵プリキュア!』(2026)は例年通りであれば2026年2月1日放送開始となる見込みです。2月1日は、プリキュア20周年のアニバーサリーイヤーを機に「プリキュアの日」として制定されました。
この日に始まったシリーズは、これまで歴代で3作ありました。最初の『ふたりはプリキュア』(2004)、『フレッシュプリキュア!』(2009)、『Go! プリンセスプリキュア』(2015)です。概ね5~6年周期で来ているようにも見えますが、その次は『ヒーリングっど♥プリキュア』(2020)がうるう年であったため周期がずれていました。『名探偵プリキュア!』(2026)が2月1日始まりのシリーズであれば、実に11年ぶりとなります。
また『名探偵プリキュア!』(2026)の放送期間は、例年通りであれば2026年2月1日から2027年1月31日までとみられます。これは、うるう年以外のシリーズとしては唯一となる「カレンダーが日曜日を53回含む」パターンです。
そして『名探偵プリキュア!』(2026)は第58回全日本大学駅伝で2026年11月1日に、そして年始特番で2027年1月3日に休止するとみられます。かつては6月に全米オープンゴルフの中継がありましたが、テレビ朝日は2020年を限りに放映権を手放しており、今後もゴルフによるプリキュア休止の可能性はなさそうです。
日曜日が53回あり、予想される休止は2週。したがって、『名探偵プリキュア!』(2026)はプリキュア史上初となる全51話の可能性が期待できます。もし全51話となった場合、ニチアサ全体を通しても『おジャ魔女どれみドッカ~ン!』(2002)以来、実に24年ぶりとなります。何としても、イレギュラーな休止だけは回避してほしいところです。
なお、各シリーズの放送期間が1年間を超えていた頃は、70話80話級の作品もありました。ニチアサ8:30アニメでの歴代最長は、『まじかる☆タルるートくん』(1990)の全87話です。
ロゴデザインから読み取れる情報
ロゴの質感は、『わんだふるぷりきゅあ!』(2024)や『キミとアイドルプリキュア♪』(2025)で見られたようなフラット系から、久々に複雑な光沢を持つリッチデザインへと回帰しました。
メインのロゴタイプはピンクから紫へのグラデーション。過去作では『Yes! プリキュア5GoGo!』のキュアドリームとミルキィローズ、『わんだふるぷりきゅあ!』のキュアワンダフルとキュアフレンディを想起させるカラーコンビネーションです。
背景では、『ハートキャッチプリキュア!』(2010)や『HUGっと!プリキュア』(2018)、『キミとアイドルプリキュア♪』(2025)のようにリボン装飾がハートの形をつくっています。
名探偵の「名」の字には、キラリと光る星があしらわれています。英題の“Star Detective”も含めて、作品のテーマと密接な関連が窺えます。ロゴタイプにおける五芒星の意匠は『スター☆トゥインクルプリキュア』(2019)以来7年ぶりです。
そして、毎年趣向を凝らしている「プリキュア」の「プ」の字の半濁点。『キミとアイドルプリキュア♪』(2025)では変身アイテム「アイドルハートブローチ」をモチーフとしていましたが、今回は疑問符「?」の上半分を想起させる図形になっています。そこから2本の線が外に向かって伸びており、これ全体で「ひらめき」を表すマンガ表現としての「電球」を連想させます。
末尾の感嘆符「!」の下部の点は懐中時計のような意匠があしらわれています。作中に登場するアイテムを象っているのでしょうか。
なお電球と時計は、上述した東映アニメーション公式からのツイートにも絵文字として使用されています。
プリキュア+名探偵=迷探偵?!
プリキュアにはかつて4度、サブタイトルに「名探偵」を冠した回がありました。
- 『Yes! プリキュア5GoGo!』#9「名探偵こまち登場!」(2008.3.30)
- 『HUGっと!プリキュア』#34「名探偵ことり! お姉ちゃんを調査せよ!」(2018.9.30)
- 『トロピカル〜ジュ!プリキュア』#20「名探偵みのりん! 消えたメロンパン事件!」(2021.7.11)
- 『キミとアイドルプリキュア♪』#34「名探偵はもりん! 謎のメニューを追うぞな!」(2025.9.28)
これらの大体がギャグの文脈でのお遊び回で、名探偵というよりはむしろ「迷探偵」回でした。しかし、探偵ものや推理ものに対するオマージュは随所に見られました。
また当初『わんだふるぷりきゅあ!』(2024)には探偵要素が想定され、その名残がキュアフレンディの衣装に残されていることがキャラクターデザインのお二方から明かされています。
番組の企画の初期案で「モンスターになった動物を探索する」というのがあり、帽子やケープが探偵っぽいのはその名残です。
『わんだふるぷりきゅあ!』キャラクターデザイン・内田陽子さんコメント
(アニメージュ2025年1月号増刊『わんだふるぷりきゅあ!』特別増刊号)
探偵っぽい衣装なら、ワンダフルとケープがおそろいにできるので、私もぜひ残したいなぁと。キャスケットも純粋にかわいいですし。
『わんだふるぷりきゅあ!』衣装・プロップデザイン・なすかさんコメント
(アニメージュ2025年1月号増刊『わんだふるぷりきゅあ!』特別増刊号)
今回、プリキュアは本格的に探偵ものに挑戦することになります。TVシリーズのメインターゲットを考えると強行犯の描写はまずなさそうで、そもそも刑事犯すら扱われるかどうかわかりません。まして現実の探偵が多く扱う浮気・不倫調査などはありえないでしょう。
そうなると、ちょっとした身近なミステリーや人捜しがメインになるのかも知れません。
ひとつ気がかりなのは、「名探偵」に憧れた小さな子達が危ないマネをしたりはしないかという点です。もちろん描写には細心の注意が払われるはずですが、それでも過去のシリーズでは(ケーキやメロンパンのつまみ食いという「しょうもない」犯行とはいえ)迷推理による冤罪描写がありました。
もしもこれに感化されたお子さん方が現実でこういったことをやり始めるとしたら、少々危険な香りがします。もちろんプリキュアスタッフを全面的に信頼していますし、きっと杞憂に終わるでしょう。
なお東映(本社)が誇る名探偵といえば、やはり『相棒』主人公・杉下右京警部が真っ先に思い浮かびます。Season15最終回では、プリキュアをヒントに推理を披露したこともありました。同作との本格的なコラボ回を期待したいところです。
プリキュアは総勢91.55人に?
幅はありますが、『名探偵プリキュア!』(2026)が始まった時点で歴代プリキュア(TVレギュラーのみ)の人数が89~91人に、そして最終的には90~92人程度になるものと見込まれます。
プリキュアの製作態勢が現在の形になった『Go! プリンセスプリキュア』(2015)から現行作『キミとアイドルプリキュア♪』(2025)までの実績から平均値を算出すると、
- 初期メンバー…3.45人
- 追加メンバー…1.09人
- 最終メンバー…4.55人
となります。『キミとアイドルプリキュア♪』(2025)までの87人と単純に足すと、前半で90.45人程度に、そして来年の今頃には91.55人程度になったプリキュアオールスターズが見られそうです。
なお、初期メンバー/追加メンバーの分類については、変身後の姿で前期ビジュアルに登場しているか否かを基準としています。
仮に91人と仮定すると、真ん中は46番目・『キラキラ☆プリキュアアラモード』(2017)のキュアカスタードになります。思えばプリアラ最終回で描かれた、「数年後」の大人になったみんなの姿。あれはちょうど今くらいの時代にあたるのでしょうか。
大人といえば、『キボウノチカラ〜オトナプリキュア’23〜』(2023)、『魔法つかいプリキュア!!~MIRAI DAYS~』(2025)と続いたオトナシリーズの、第3弾が来ないのも気になります。あれはプリキュア20周年というお祭り騒ぎの中で見た夢だったのか、あるいは……。
25周年で100人に!?
さて。この調子でプリキュアが増えていくと、プリキュア25周年アニバーサリーイヤーにあたる2028年度のプリキュア第25シリーズで最後に登場するプリキュアをもって、プリキュアオールスターズはついに累計100名を達成する勢いです。
実際、上記予想の平均値を取って『名探偵プリキュア!』(2026)の登場プリキュアを初期3+追加1と仮定した場合、100人までは残り9名。2027年度シリーズが4人、2028年度シリーズが5人であればピッタリと100人になります。
もしかしたら、意図的にここを狙って毎年の登場人数を調整している可能性も考えられそうです。記念すべき節目の年に100人の大台に乗るなんて、絶対にお祭りになるに決まっていますもの。
「シリーズ第23作」
『名探偵プリキュア!』(2026)で、とうとうプリキュアも第23作。プリキュア20周年のアニバーサリーイヤーもあっという間に遠い想い出になってしまい、それどころか25周年の気配をじわじわと感じるようになってきています。
あらためて歴代TVシリーズのタイトルを振り返ってみます。
- 2004『ふたりはプリキュア』
- 2005『ふたりはプリキュアMaxHeart』
- 2006『ふたりはプリキュアSplash☆Star』
- 2007『Yes! プリキュア5』
- 2008『Yes! プリキュア5GoGo!』
- 2009『フレッシュプリキュア!』
- 2010『ハートキャッチプリキュア!』
- 2011『スイートプリキュア♪』
- 2012『スマイルプリキュア!』
- 2013『ドキドキ!プリキュア』
- 2014『ハピネスチャージプリキュア!』
- 2015『Go! プリンセスプリキュア』
- 2016『魔法つかいプリキュア!』
- 2017『キラキラ☆プリキュアアラモード』
- 2018『HUGっと!プリキュア』
- 2019『スター☆トゥインクルプリキュア』
- 2020『ヒーリングっど♥プリキュア』
- 2021『トロピカル〜ジュ!プリキュア』
- 2022『デリシャスパーティ♡プリキュア』
- 2023『ひろがるスカイ!プリキュア』
- 2024『わんだふるぷりきゅあ!』
- 2025『キミとアイドルプリキュア♪』
- 2026『名探偵プリキュア!』
折しも10周年施策で盛り上がっている『Go! プリンセスプリキュア』(2015)が、とうとう「真ん中」になってしまいました。時の流れは、速いものです。
タイトルの検索性と影響の予測
今回発表された『名探偵プリキュア!』(2026)では、『ひろがるスカイ!プリキュア』(2023)以来3年ぶりに「プリキュアがカタカナで表記されており、かつ別字種で分割されている」タイトルに戻りました。各種SNSでの検索性が向上し、「プリキュア」が単体でトレンドワードにのぼる機会も増えそうです。
文字コード
『名探偵プリキュア!』(2026)は、『ひろがるスカイ!プリキュア』(2023)、『わんだふるぷりきゅあ!』(2024)、『キミとアイドルプリキュア♪』(2025)に続き、「JIS X 0208だけで表記できるプリキュア」、すなわち「Windows XP/MacOS10.4以前の環境で何ら問題なく表記できるプリキュア」です。「♥」や「〜」、「♡」などと違って通常の環境で文字化けの余地はありえず、今回も煩雑な文字コード問題からは無縁でいられそうです。
今後の流れ
例年のシリーズ発表スケジュールをおさらいしておきましょう。

タイトル発表
『ひろプリ』『わんぷり』『キミプリ』では可能な限り11月末に合わせるスケジュールでしたが、今回は出願および公開商標公報が若干速く、久々に月末まで日を残しての発表となりました。
解禁時刻も前年の5:30から7:00とやや遅い時間帯になりました。この時間での発表は『HUGっと!プリキュア』(2018)以来、8年ぶりです。
ビジュアル発表、キャスト・スタッフ発表
『ひろプリ』『わんぷり』『キミプリ』の傾向から両方同時に年明け最初の放送直前、2026年1月4日(日) 8:00と予想されますが、タイトル解禁日・時刻とも動きがあったことから予想は難しくなりそうです。
クリスマス会やります!
さて、私事ですが、12/21(日)阿佐ヶ谷ロフトAさん開催「プリキュアおじさんpresents キラキラおしゃれクリスマス会」に登壇します。

会場・日時
阿佐ヶ谷ロフトA 2025年12月21日 (日) 開場11:30 開演12:00
出演
プリキュアおじさんの楽しいプリキュア語りに、『映画 キミとアイドルプリキュア♪ お待たせ!キミに届けるキラッキライブ!』でキャラクターデザイン・作画監督を務めたアニメーター・板岡錦さん(本物)による貴重なトークもあります。
プレゼント交換会もありますので、参加希望の方は「少なくとも1000円程度以上の」「ちゃんとラッピングされたプレゼント」を持参ください。
当日券は一切保証できませんので、絶対に参加したい方は前売券をお求めください。