2026年10月27日の朝7時、プリキュアシリーズ公式のTwitterで、シリーズの新たなスピンオフ作品『デュアルシャドウ ~Precure Villain Heroines~』の2027年放送が発表されました。約21秒のPVもあわせて公開され、東映アニメーションのサイトには公式サイトも開設されています。
発表された内容
https://x.com/precure_15th/status/2114839497812897961
現時点で発表されているのは、次のとおりです。
- 題名:『デュアルシャドウ ~Precure Villain Heroines~』
- 「プリキュア」シリーズの新たなスピンオフ作品で、完全新作のオリジナルアニメ。キーワードは「Villain(ヴィラン)」1
- 2027年放送
- キャッチコピー:「——だって、わたしたちプリキュアじゃないし」
- 公式サイト:東映アニメーションの作品ページ(権利表記は「©2027 デュアルシャドウ製作委員会」)
放送局・放送時期、スタッフ、キャストはまだ発表されていません。公式はTwitterで「続報をお楽しみに」としています。
プレスリリースをもとにした報道によれば、本作は「これまでのスピンオフにはない「常識を覆す」異例のオリジナルキャラクター&オリジナルストーリー」で展開されるとのことです。東映アニメーションも「これまで『プリキュア』シリーズを楽しんできたファンの常識を覆すこと間違いなしの新作」とコメントしています1。
これまでのスピンオフシリーズ
20周年以降、毎年のTVシリーズのほかにスピンオフ作品の展開が続いています。そのうちTVアニメシリーズとしては、下記の大人向けシリーズがありました。
今回発表された『デュアルシャドウ ~Precure Villain Heroines~』も、大人向けシリーズの一環に見えます。
発表から読み取れること
TVアニメとして放送される
公式サイトでは明確に「2027年 放送」、Twitterでも「放送決定」と謳われています。映画の「公開」でも、舞台の「上演」でもありません。そして公式サイトのURLからも、東映アニメーションのサイトのTV作品のディレクトリ(/tv/)配下であることがわかります。
放送は2027年夏以降か
放送時期は「2027年」とだけ示され、具体的な時期は明かされていません。通常、TVアニメの新作は放送の半年以上前から告知を重ねていくものです。『キボウノチカラ 〜オトナプリキュア‘23〜』は放送7か月前、『魔法つかいプリキュア!! 〜MIRAI DAYS〜』に至っては放送から遡ること実に22か月も前に発表が行われています(どちらも2023年3月14日の発表)。その周知期間を考えると、放送開始は早くとも2027年の夏以降になるものと考えられます。
プリキュアではない「ヴィラン」の少女たちが主役か
副題の「Precure Villain Heroines」は、直訳すれば「プリキュアの悪役のヒロインたち」です。「Heroines」が複数形なので、闇の側のヒロインが複数登場することは、まず間違いなさそうです。
そしてキャッチコピーは「——だって、わたしたちプリキュアじゃないし」。副題と合わせると、プリキュアと戦う側の少女たち、あるいはプリキュアではない少女たちが主人公になる作品とみられます。
歴代のプリキュアシリーズでも、プリキュアと同年代の悪役ガールズといえば、『ふたりはプリキュアSplash☆Star』(2006)の霧生満と霧生薫、『映画 Yes!プリキュア5 鏡の国のミラクル大冒険!』(2007)のダークプリキュア5人、『フレッシュプリキュア!』(2009)のイース、『ハートキャッチプリキュア!』(2010)のダークプリキュア、『スイートプリキュア♪』(2011)のセイレーン、『スマイルプリキュア!』(2012)のバッドエンドプリキュア5人、『ドキドキ!プリキュア』(2013)のレジーナ、『Go!プリンセスプリキュア』(2015)のトワイライト…と、枚挙に暇がありません。それらは敵として倒されたり滅んでいくか、あるいはプリキュアとして転生、覚醒したり味方についたりするかの二通りでした。小さな女の子を対象としたTVシリーズでは、「勧善懲悪」という動かしがたい大前提があるからです。
今回発表されたシリーズが仮に大人向け施策の第3弾であるとするならば、それらとは一線を画した物語が展開されることも予想されます。
『ふたりはプリキュア』に立ち返る「ふたり」と「光と闇」
題名の「デュアル(dual)」は「2つの」という意味の言葉です。「デュアルシャドウ」、つまり「2つの影」という題名からは、プリキュアの祖『ふたりはプリキュア』(2004)と同じ「ふたり」の物語であることがすぐに読み取れます。プリキュアで「デュアル」といえば、『ふたりはプリキュア』(2004)/『ふたりはプリキュアMax Heart』(2005)の変身かけ声「デュアル・オーロラ・ウェイブ」や『ふたりはプリキュアSplash☆Star』(2006)の変身かけ声「デュアル・スピリチュアル・パワー」がすぐに想起されます。
しかも、そのふたりは「影」の側です。『ふたりはプリキュア』のなぎさとほのかは、「光の使者」として「闇の力のしもべたち」と戦う「ふたり」でした。『デュアルシャドウ』は、その表裏一体に見えます。かつて『ふたりはプリキュアMax Heart』の最終話(第47話「扉を開けて! ここから始まる物語」)で、光の園のクイーンは「わたしの願いは、光と闇のバランスです。」と言いました。今回あまりにも斬新で衝撃的なプリキュアが公式からお出しされたので面食らっていましたが、冷静に見つめ直すと見えてきたのは「ふたり」と「光と闇」という、シリーズの原点ともいえるオーソドックスなテーマでした。
「だって、わたしたちプリキュアじゃないし」というキャッチコピーで真っ先に思い出したのは、プリキュアの生みの親である鷲尾 天さんの言葉です。2021年6月に中野区で開かれた講演会で、「プリキュアになれるのは女の子だけ?」と問われた鷲尾さんは、こう答えていました。
プリキュアとは、自分の足で凜々しく立つ存在。子供達が受け容れてくれれば、スタイルにはこだわらない。時代の要請があれば、プリキュアも変わっていく。
— 鷲尾 天さん(2021年6月26日、中野区男女共同参画週間 上映&講演会。当サイトのレポートより)
自ら「プリキュアじゃない」と言い切る少女たち。しかし彼女たちの眼差しには何者にも支配されまいとする強い意志が宿り、自分の足で立つ者のそれであるようにも見えます。一体彼女たちは何者なのか。続報が楽しみです。
「『プリキュア』常識を覆す異例の新作アニメ制作 完全オリジナル『デュアルシャドウ』2027年放送でキーワードは「ヴィラン」」ORICON NEWS(2026年10月27日) ↩︎ ↩︎