フォーマットは、崩すためにある。

昨日6/3放送の『HUGっと!プリキュア』第18話の放送は、ED尺90秒をBパートに吸収し芝居を続行することで大きな話題となりました。特に挿入歌を流しながらEDクレジットテロップのみを表示する形態は『プリキュア』15年の歴史でも初の試みとなりました。

フォーマットは、崩すためにある。それを思い知らされた回でした。

崩すといっても、絶対に崩せないものもあります。番組中に流すスポンサーCMの総量(4分00秒)です。しかし逆に言えば、これ以外のあらゆる要素は調整次第でどうにでもなるわけです。

歴代『プリキュア』シリーズで行われた「フォーマット崩し」を、難易度ごとに分類してみました。

難易度E「予告15秒」
15秒予告を放送することで、後半15秒に告知のための枠を捻出する手法です。『ふたりはプリキュア』第32話のプレゼントクイズ告知を皮切りに、以降のシリーズで頻繁に行われています。なお、パッケージには何事もなかったかのように30秒予告が収録され、何も痕跡は残りません。
難易度D「OP延長」
アバンの一部を捻出し、OPのイントロを延ばす手法です。『ハピネスチャージプリキュア!』での歴代プリキュアあいさつや、『キラキラ☆プリキュアアラモード』第2~6話でのロング・イントロ・バージョンがこれにあたります。逆に『スマイルプリキュア!』第1話のように、OPに対してアバンが食い込んだ例もあります。特別感は大きいですが、回ごとのアバンの尺違いの範疇で吸収できるためフォーマット変化としては軽微といえます。こちらはパッケージでも本放送時同様に収録されます。
難易度D…CM順入れ替え
こちらはスポンサーや放送局との調整を伴うため、ややハードルが高くなります。『ふたりはプリキュアSplash☆Star』最終回第49話ではBパートの余韻を次番組『Yes! プリキュア5』のCMと予告で損なわないよう、CMを後回しにして「Bパート→ED→予告→CM」という順序で放送されています。また『ハートキャッチプリキュア!』第22話では、シャイニーパフュームとシャイニータンバリン、そして『映画ハートキャッチプリキュア!』といういずれもキュアサンシャイン変身後を前提としたCMが入ったため、同じく「Bパート→ED→予告→CM」という順で放送されました。また『Go! プリンセスプリキュア』最終回第50話ではCパートを作るために後CMとEDの位置を繰り上げていますし、『魔法つかいプリキュア!』第44~46話では『ポッピンQ』宣伝のためにOP後のCMを30秒分エンドカードよりもさらに後の8:58:30~8:59:00にスポットCM扱いで挿入する措置が取られています。こちらも、パッケージに痕跡は残りません。
難易度B…OP/ED割り込み
こちらは放送局の都合によるもので、フォーマットこそ変わりませんが番組の顔であるOPとEDを一部潰すことになります。春や秋、正月(2010年のみ)の番組改編期に7:00のメ~テレ・サンライズ枠(当時)から戦隊、ライダー、そしてプリキュアまでの2時間(「ニチアサキッズタイム」)の視聴習慣を定着させる一環で、2008年から2010年まで「ニチアサキッズ合体スペシャル」などのタイトルでOPやEDにプレゼント告知とキーワードの発表がコーナーとして挿入されました。歌は流れたままですが、当然押し出されたスタッフクレジットはいつもより速くパッパッと流れていきます。他社作品のキャラも登場するなどして権利処理が複雑になるため、当然パッケージには収録されていません。本放送当時の録画は大変貴重です。
難易度A…提供飛ばし
提供読みを詰めてコーナーを捻出するため、当然スポンサーと放送局との調整が伴います。この場合、提供クレジットはアバンや告知コーナーなどで右下に小さく表示されます。初の事例は『ハピネスチャージプリキュア!』第46話で、『Go! プリンセスプリキュア』番宣告知のために提供AとBを15秒ずつ、そして次回予告も15秒捻出して45秒の番宣コーナーを作りました。その後も次作番宣の時期にあくまでイレギュラーな対応として行われていましたが、そこで実績を積んだためか、『キラキラ☆プリキュアアラモード』と『HUGっと!プリキュア』ではちょっとしたコーナーの創出のためカジュアルに提供飛ばしが行われるようになりました。こちらも提供なのでパッケージに痕跡は残りませんが、例外として『キラキラ☆プリキュアアラモード』ではレシピコーナーをパッケージに収録しています。
難易度S…EDブチ抜き
スポンサーとの調整、放送局との調整、そしてマーベラス・東映アニメーション音楽出版との調整。よく実現したものだと思います。言うまでもなく『HUGっと!プリキュア』第18話がプリキュア史上初にして、現時点で唯一の事例です。パッケージにも、おそらくこのまま「Bパート→予告」と収録されるでしょう。

なお現在の『プリキュア』TVシリーズの本放送フォーマットは『スマイルプリキュア!』第10話以降、原則として次のように決まっています。

『プリキュア』本放送フォーマット(2012年4月8日~)

8:30:00 アバン
8:32頃 OP
8:33頃 提供A(15秒)
8:34頃 前CM(90秒)
8:35頃 Aパート
8:42頃 中CM(90秒)
8:44頃 Bパート
8:55:20 後CM(60秒)
8:56:20 ED(90秒)
8:57:50 次回予告(30秒)
8:58:20 提供B(15秒)
8:58:35 エンドカード(5秒) ※ここで番組終了
8:58:40 (9:00番組ジャンクション(5秒))
8:58:45 (テレビ朝日番宣(15秒))
8:59:00 (以降、9:00までスポットCM)

※アバン+OP+Aパート+Bパート+ED+予告 = 24分05秒(DVD/Blu-rayに収録される範囲)

投稿者:

祥太

成人済♂。広島生まれ、広島育ち、中野住み。同人サークル「SHOWTIME」でプリキュアの音楽研究本やフォント研究本などを作ってます。