プリキュアでおぼえるフランス語

ラヴェニール学園と掛けまして、潜入編の野乃家と解きます。
その心は…冠詞(監視)がついているでしょう。

『キラキラ☆プリキュアアラモード』『HUGっと!プリキュア』の2作連続で、プリキュアの世界観に深く入り込んできたフランス語。英語由来の言葉とは、一味違った雰囲気を作品に与えてくれます。

キュアマシェリとキュアアムールの登場によって、俄然プリキュアのフランス語が気になってきた方も多いのではないでしょうか。

そんな歴代プリキュアにちりばめられたフランス語由来のキーワードを、原語表記と語義、発音などで振り返ってみます。

(発音はあくまで「それっぽい」止まりです。本格的に勉強したい人は、ちゃんとしたフランス語の入門書を紐解いてください。)

2018『HUGっと!プリキュア』

アンジュ ange
「薬師寺さあや」、もしくは「天使」「天使のような人」。anは、英語や日本語のつもりでアンとはっきり発音しないでください。口の奥の方から鼻に抜ける感じで「アー」と発音するとそれっぽいです。むしろカタカナで「オンジ」と発音した方がよっぽどange感あります。語末のeは無視しちゃってください。
エトワール étoile
「星」。日本語でいう「スター」の意味もあります。左下がり(アクサン・テギュ accent aiguといいます)のéは日本語よりも舌の位置が高い「エ」で発音してください。oiを見たら「ゥワ」と発音しておけばまず間違いないです。こちらも、記号が何もついてない語末のeは無視しちゃってください。
マシェリ ma chérie
直訳すれば「私の愛しい人」、あるいは恋人への呼びかけに使われます。chはローマ字のshだと思ってください。こちらも左下がりのéは舌の位置が高い「エ」で。rの発音は日本語や英語とは大きく異なります。一言では言えないので「フランス語 R 発音」等で各自ググってください。
アムール amour
「愛」、「恋愛」、あるいは恋人への呼びかけに使われます。モナムール mon amour でマシェリと同じ意味ですね。ouを見たら唇を思い切り突き出して「ウー」と言っとけば間違いないです。これもrの発音はちゃんと検索して習得してください。
ラヴェニール l’avenir
「未来」、「将来」 avenir に、男性名詞なので定冠詞 le がついて le + avenir ですが、定冠詞は母音字が省略(エリズィヨン élisionといいます。エリシオじゃないよ)されて、l’avenir となります。英語にすると「ザ・フューチャー学園」ですね。avenir自体が à + venir 「来る」で「来たるべき」という成り立ちです。で、eはすげぇやる気のないアともウともつかない母音で発音するか、さもなくば語末と同じく無視しちゃってください。したがって、より忠実なカナ表記は「ラヴニール」です。rの発音は、例によってググれ。

2017『キラキラ☆プリキュアアラモード』

アラモード à la mode
「流行りの」。mode 「流行」は女性名詞なので、今度は定冠詞 la と、さらに前置詞 à がつきます。àの記号は気にしないで発音しちゃってください。単に紛らわしいので区別のためについてるだけで、発音には関係ありません。そして例によって語末のeは無視。
マカロン macaron
「マカロン」。かえすがえすもrの発音はググってください。
ショコラ chocolat
「チョコレート」。しかし近年はショコラと言っても日本語として普通に通じる気がしますね。これもchはローマ字のshだと思って発音してください。でないとデザート王国の姫君になります。語末のtは無視して発音しちゃってください。というかフランス語でc,f,l,r以外の子音が語末に来たら基本発音しません。
パルフェ parfait
名詞としては「パフェ」。形容詞として「カンペキ」。パーフェクト perfect と同じです。rの発音は以下同文。aiを見たら、日本語よりも舌の位置が低い「エ」で発音してください。これも語末のtは発音しません。
ボナペティ bon appétit!
「めしあがれ」。bon は「良い」、appétit は「食欲」。onは鼻に抜ける「オ」。例によって左下がりのéは舌の位置が高い「エ」で。語末のtは無視。そして、ボン・アペティじゃないですよ。フランス語ではアンシェヌマン enchaînement といって、語末の子音と語頭の母音を合体させて発音します。
シエル・ドゥ・レーヴ Ciel de rêve
直訳すると「夢の空」。ciel は「空」、deは「~の」。順番は英語のofと同じ。rêveは「夢」。寝てるときに見るやつも、心に思い描く憧れも、両方とも。cは、後にe,iが続くときはsと思って発音してください(a,o,uだとkね)。新顔のê(アクサン・スィルコンフレクス accent circonflexeといいます)ですが、これも日本語より舌の位置が低い「エ」です。語末のeはもろもろ気にしない。
パティシエ pâtissier
一昔前なら「ケーキ職人」と訳されましたが、もはやこのご時世「パティシエ」ですね。より原語に忠実にはパティスィエ。âは、日本語よりも口の奥の方で発音する「ア」です。語末でerを見たら、ほぼほぼ最後のrは無視してください(いくつか例外はあります)。
パティスリー pâtisserie
これも一昔前なら「ケーキ屋」でしたが、「パティスリー」もやはり外来語として浸透しつつあります。真ん中のeは発音しなくていいです。rはググれ。
ジュリエンヌ julienne
「千切り」。jは英語とは違い、破裂音なしで柔らかく発音します。uは、唇を丸めて突き出したまま「イ」と発音してください。ieを見たら、「イェ」と発音。例によって語末のeは発音しません。
ノワール noir
「黒」。本作の場合は「闇」か。いっそパパスのごとく「ヌワーッ」と読んだ方がそれっぽいです。
ルミエル lumière
「光」。uは例によって唇を突き出しながら「イ」、右下がり(アクサン・グラーヴ accent graveといいます)のèは、日本語よりも舌の位置が低い「エ」で発音。語末e無視定期。
ミルフィーユ millefeuille
ミルフィーユは「ミルフィーユ」としか訳しようがないですね。mil 千 + feuille 葉で、要するに千葉です。この語はちょっと難しくて、2箇所のilleが全然異なる発音なんですよ。最初のmilleは「ミル」と読みます。euは、「オ」の口で舌低め「エ」を発音します。最後のilleは、何故か「ィユ」と読みます。トラバーユ travail もソレイユ soleil もですが、il系は何故か「ユ」と読むのです。
トレビアン très bien
très 「とても」 bien 「良く」。英語だとvery wellですね。例によってrの発音な。あと右下がりのèは日本語よりも舌の位置が低い「エ」。ienを見たら、舌の位置を低めにしつつ鼻から抜けるように「ィエ」と発音してください。特に上半身を左右に屈曲しながら叫ぶ必要はありません。
エール Aile
「翼」。aiは日本語よりも舌の位置が低い「エ」。そして語末のeは無視。

2016『魔法つかいプリキュア!』

フランソワ François
男子の名。アッシジのフランチェスコに因む。イタリア語フランチェスコ Francesco、スペイン語フランシスコ Francisco、英語フランシス Francisは全て同源。下に何か(セディーユ cédille といいます)ついてるçは、sだと思って発音してください。oiは「ゥワ」。語末のsは読まない。ちなみに女性形だとフランソワーズ Françoise となり、この時はsを発音します。
ソルシエール sorcière
日本語で「魔法使い」「魔女」と呼ばれるものの一つ。英語のソーサラー sorcerer と同源。右下がりのèは日本語よりも舌の位置が低い「エ」。

2015『Go! プリンセスプリキュア』

トルビヨン tourbillon
「旋風」。illは例によって「ィユ」、onは鼻に抜ける「オ」で発音します。
エクラ・エスポワール éclat espoir
éclat=「輝き」、espoir=「希望」。左下がりのéは舌の位置が高い「エ」で、語末のtは例によって無視。oiは「ゥワ」で、rの発音に注意。
グラン・プランタン grand printemps
grand=「大きい」、printemps=「春」。くれぐれも、グランド・プリンテンプスじゃないですよ。anは口の奥の方から鼻に抜ける「ア」で、語末のdは読まない。inは鼻に抜ける舌低めの「エ」、em(p)は再び口の奥の方から鼻に抜ける「ア」。そして語末のpsは無視。

2010『ハートキャッチプリキュア!』

オリヴィエ Olivier
「オリーブ」。男子の名でもあります。これも語末のrは発音しません。
ルーガルー Loup-Garou
「狼男」。転じて「人嫌い」という意味も。loupは「狼」で、garouも元々は単体で「狼男」を意味する言葉が変化したものです。ouは唇を突き出す「ウ」、語末のpは発音しません。

2007『Yes! プリキュア5』
2008『Yes! プリキュア5GoGo!』

ルージュ rouge
「赤」、または転じて「口紅」。ouは唇を突き出す「ウ」。
サンクルミエール Cinq Lumière
「5つの光」。inは鼻に抜ける舌低めの「エ」、qはkのつもりで発音。ルミエールはプリアラのルミエルと同じ。
フルーレ fleuret
フェンシングで使用する剣の一種。またはそれを使用する種目。。euは「オ」の口で舌低めの「エ」。語末tは発音しません。
パルミエ palmier
「ヤシ」。あるいは菓子の名。ieは「ィエ」で、語末rは発音しません。
ババロア bavarois
直訳すれば「バイエルン Bavière の」。確かな由来は不明。oiは「ゥワ」で、語末sは発音しません。
クレープ crêpe
本来の意味は「縮緬(のような生地)」。クレープの焼き色が生地の模様に似ていることから。êは舌の位置低めの「エ」。
モンブラン mont-blanc
直訳すれば「白い山」。同名の山にちなんだお菓子。mont=「山」、blanc=「白」。onは鼻に抜ける「オ」。anは口の奥の方から鼻に抜ける「ア」。語末の子音はいずれも発音せず。
フランス語の発音は英語に慣れていると戸惑うかも知れませんが、慣れてくると聞くのも話すのも楽しくなります。響きがとてもトレビアンなんです。ぜひNHKの語学番組などで体験してみてください。

(00:10追記)

言い忘れてました。pの発音は、息がプハァと漏れないように気をつけてください。業界用語でいうと、フランス語の破裂音は全て無気音です。

投稿者:

祥太

成人済♂。広島生まれ、広島育ち、中野住み。同人サークル「SHOWTIME」でプリキュアの音楽研究本やフォント研究本などを作ってます。